若者たち

『若者は、時代をうつす鏡』と言われていますが、

どの時代でも大人にとって到底理解できないのが

若者たち…

90年代、若い世代は『新人類』と呼ばれ

あたかも新しい発見のように思われていましたが、

60年代中頃から70年代にも、やはり『異星人』や『オバQ』のような

若者たちが大勢いました。

戦後のベビーブーマーがこの時期『若者たち』となり、

彼らがいったん集団で動き出すと、

たちまち流行が生まれ、

ブームが沸き、パニックさえ起こりました。

ファッションもアートも音楽も

新しいものが次々と生まれ、

混沌とした世情の中にも夢や希望が持てた時代でした。

豊かな感性は、

新しい時代をつくり上げたのです…

 

いつまでも、いつまでも

そして、21世紀。

物質的な豊かさはピークを迎へ、

人々は『こころの豊かさ』を求めはじめました。

しかし、

私たちをとりまく社会的環境はけして良い状態とは言えません。

バブル崩壊、大地震、景気低迷、リストラ、世界同時テロ…

さまざまな要素が『不安』という呪文を唱えながら襲ってきます。

その真只中にいる、熟年を迎えた

『団塊の世代』たち…

あの頃のハラハラ、ドキドキ、ワクワクした気分はすっかり忘れ、

ただのおじさん・おばさんになってしまった『若者たち』…?!

いや、

あの輝いていた瞬間(とき)は

いつまでも、いつまでも、生き続けてゆくのです。

あの歌を口ずさむ時に、

あのレコードジャケットを見るたびに、

そして

あのメロディーがラジオから流れるたびに…